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皆川先生の初期作品が、
烏有書林という新興気鋭の出版社から刊行されます。収録作は出版社のHPによると…(初出は私が調べました)。
初期児童文学作品
花のないお墓※
コンクリ虫 『新潮現代童話館2』新潮文庫 1992年1月刊
こだま※
ギターと若者※
地獄のオルフェ 小説ジュニア 1978年2月号
天使 小説ジュニア 1979年7月号
ペガサスの挽歌 別冊小説現代 1973年11月号
試罪の冠 小説現代 1974年8月号
黄泉の女 別冊小説新潮 1976年夏号
声 カッパまがじん 1976年9月号
家族の死 オール讀物 1979年8月号
朱妖 別冊小説宝石 1979年12月号
解説/七北数人
※印の児童文学3編以外は私は既読です。これが表題作掲載誌のコピー。

中間小説誌に掲載の作品はいずれも、『水底の祭り』『祝婚歌』などと同じ時期の作で、幻想文学志向を滲ませた風俗小説です。現在のような融通無碍の幻境が展開する作風ではありませんが、デモーニッシュな衝動に憑かれた人間たちを描いている点で、やはり皆川美学の原点の一風景と言い得ることができるでしょう。
若者向けに書かれた「地獄のオルフェ」「天使」は、『トマト・ゲーム(単行本)』『薔薇の血を流して』をソフトにしたような青春小説で、これまた魔を呼び込む皆川文学の典型です。
今回の単行本は「日本語の醍醐味」というシリーズの第4弾で、現在、坂口安吾、石川桂郎、藤枝静男が刊行済みです。今までは純文学作家ばかりで、そこに皆川先生がエンタメ系からエントリーされたのは、編集側の趣味なのでしょうが、趣味が同じとは嬉しいですね~(笑)。
皆川先生の初期作品はまだまだ埋もれた短編が沢山あります。直木賞受賞作『恋紅』以前だけでも、30編も未収録作品があります。今回は単発の企画ですが、次に続いてほしいものです。それに未刊行の長編『碧玉紀』もなんとかしてほしいなあ。
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- 2012/09/29(土) 15:09:13|
- 幻ミス
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