幻想ミステリ博物館 館長BLOG 読書編

HP「幻想ミステリ博物館」の「館長日記」のうち、読書に関する話題を特化して、BLOGに移行しました。

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連城三紀彦先生の最新インタヴュー

 一年一か月ぶりのブログです。皆川先生の怒涛の出版ラッシュのこととか、本当は書くべき話題が山積しているのに、長らくさぼってしまいました。
 今回は連城先生のインタヴュー記事のことです。今週発売の、「週刊現代」2013年10月26日号の読書欄「わが人生最高の10冊」(P124~P125)に、先生の最新インタヴューが掲載されています。週刊誌は入手時期が限られるので、早速取り上げた次第です。記事の見出しは「『男と女の物語』に魅せられた作家生活」です。ここで氏は、自身の文学観に影響を与えた小説10作品を語っておられます。10冊の内訳は、本屋さんで手にとってお確かめ戴きたいです。
 講談社の雑誌に記事が載るのはおそらく、1998年の長編『女王』連載終了以来のことだと思います。エッセイもその頃を境に講談社の雑誌とは縁が遠くなっていたので、今回は喜ぶべきなのでしょうが…。
 しかし、インタヴューの開口一番「もしかしたらこれが最後の機会になるかもしれないので、本当に好きなものに絞ってみました」とあり、昔からのファンとしてはうたた涙を禁じ得ません。まだ氏は65歳、小説家としてはまだまだ活躍できる年齢ですが、氏は二年前からガンを患っていて、闘病中なのだそうです。その前の十数年、氏は身内の方々の介護で時間を割かれて、満足に作品を発表できませんでした。雑誌に連載して一応完結した長編5本も、単行本化はまだ未定です。
 敢えて断言いたしますと、氏の小説は全て不可解な謎を追及するミステリです。恋愛を基調とした恐るべきミステリ作品を書かせたら、連城氏は当代一、いえ、日本には並ぶ者はいない方だとと思います。なのにこのような侘びしい状況になっています。思えば、5年前の「最新刊」『造花の蜜』は久々のベストセラーとなり、それを契機に旺盛な作家活動が再開されるかと期待しましたが、運命は皮肉にも氏に再びの沈黙を強いたのでした。
 インタヴューで水上勉氏の作品を引き合いに出して、連城氏は「これは僕にとっては聖書のようなものです。これだけ泣かせるものは、ついぞ書けなかったですね」と仰っています。氏の作風は「泣かせる」という情緒的な最終地点を目指している訳ではないのですが、哀切極まる花葬シリーズが出世作でもあるので、気持はわからないでもないです。とのかくファンは、連城先生の作品を首を長くして待っています。
 10冊の内訳をここには記しませんが、そのうち、狭義のミステリはセバスチアン・ジャプリゾだけです。ミステリ限定の選出ではないからかもしれませんが、なんだか氏の心境が数年前と打って変わってミステリにはないようで、少しさびしいです。でも「最近読んだ1冊」はあの方のアレなんですね。意外です。
 道尾秀介氏や新本格の諸氏のように、連城氏をリスペクトする若い作家も沢山います。ですから、これがラスト・インタヴューのような心境は翻意されて、われわれ読者に氏にしか書けない作品を、もう一度届けて戴きたいと、心より切に願っております。
  1. 2013/10/19(土) 11:25:26|
  2. 幻ミス
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