幻想ミステリ博物館 館長BLOG 読書編

HP「幻想ミステリ博物館」の「館長日記」のうち、読書に関する話題を特化して、BLOGに移行しました。

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『黄色い部屋』リニューアル

 晶文社から出ていた都筑道夫氏の『黄色い部屋はいかに改装されたか?』が、増補版としてフリースタイルより刊行された。現代ミステリに多大な影響を与えた評論が、こういう形で読み継がれることは、大変ありがたい。
 主に本格ミステリというジャンルについて考察した、ハヤカワミステリマガジンの連載をまとめたものが母体だが、増補されたのは、連載から生まれた佐野洋氏との論争(いわゆる「名探偵論争」)と、その前後の短論である。都筑氏いわく「モダーン・ディテクティヴ・ストーリイ」についての論が主。
 この本論の中で氏は、「昨日の本格」「今日の謎解き小説」なる呼称も使っていて、もちろん、後者が「モダーン・ティテクティヴ・ストーリイ」を指すのは言うまでもない。ミステリファンなら誰でも読んでいるであろう横溝正史の代表作を引き合いにして、この昨日と今日との差異を論じている部分は、21世紀の今でも充分通用する。
 また、連載の最初に、テレビ化された『牡丹灯籠』の視聴者投書を引いて、リテラシーの大切さを語っているが、この部分こそ、ネットが様々なレベルの感想文を垂れ流す現代に、真摯に受け止めるべき論かもしれない。
 かく言う私もこんなブログで、拙いリテラシーを曝して失笑を買っているのではないかと、日々怯えているのだが、アナログの時代から貯め込んだデータ量はけしてひけを取らないとも、自負している。間違った書誌、誤ったデータは垂れ流すまい、と精進しているつもりなのです。
 話をもとに戻すと、フリースタイルの都筑本、『ポケミス全解説』『読ホリデイ(上・下)』に続いての、ポケミス写し版で、私のようなポケミス愛好家にはウレシイが、特殊な版型だから手に取るのを躊躇する方もおいでだろうと思う。ある時代の本格ミステリ観を代表するエッセイだから、是非ともお読みいただきたい。特に、新本格以降の若い読者に手にとってもらいたいですねえ。
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  1. 2012/05/04(金) 15:23:28|
  2. 国内ミステリ
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