幻想ミステリ博物館 館長BLOG 読書編

HP「幻想ミステリ博物館」の「館長日記」のうち、読書に関する話題を特化して、BLOGに移行しました。

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小池氏新刊文庫『懐かしい家』

 小池真理子氏は2008年5月に、出版芸術社「ふしぎ文学館」という幻想文学のレーベルから、『くちづけ』を出している。収録作は次の通り。過去に収録された作品集の名も記しておこう。

 くちづけ 『午後のロマネスク』祥伝社文庫 ※
 神かくし 『水無月の墓』新潮文庫 ※
 しゅるしゅる アンソロジー『悪夢十夜』角川ホラー文庫
 足 『水無月の墓』新潮文庫
 康平の背中 『夜は満ちる』新潮文庫 ※
 首 『薔薇船』早川JA文庫 ※
 ディオリッシモ 『見えない情事』中公文庫
 生きがい アンソロジー『ゆがんだ闇』角川ホラー文庫
 ミミ 『命日』集英社文庫 ※
 親友 『午後のロマネスク』祥伝社文庫
 鬼灯 『薔薇船』早川JA文庫
 車影 『見えない情事』中公文庫 ※
 蛇口 『くちづけ』で単行本初収録 ※
 災厄の犬 『うわさ』光文社文庫

 これを見る限り、個人作品集初収録作三作と、なかなか良心的なチョイスである。小池氏は推協賞の短編部門を受賞した「短編の名手」であるのは間違いない事実で、過去にも、河出書房新社(のちに集英社文庫)の全六巻と、早川書房のJA文庫の全四巻の、二回に亘って傑作選が出ている。
 さてこの度、角川ホラー文庫から「怪奇幻想傑作選1」と銘打った『懐かしい家』が刊行されたが、案の定、『くちづけ』の収録作とほとんど被っていた(※印)。表題作「懐かしい家」のみ未収録の近作だ。11月にも同じホラー文庫からもう一冊この傑作選が出るらしいが、おそらく残る七編が入るのだろう。
 他社から文庫化する場合、通例として単行本出版より三年が経過している必要があり、まさに『懐かしい家』は『くちづけ』から三年目である。しかし、そのどこにも文庫化のクレジットはない。作品の収録順をいじってあるし、商品の二度売りと言われても仕方のない商法である。万が一、出版芸術社版を既にお持ちの方はご留意のほどを。
 とは言え、表題作「懐かしい家」はなかなかの佳作だし、他の短編も何度読んだって良いものは良いと言えよう。しかしそれを容認できるのは、あくまで奇特な愛好家ぐらいのもんだということである。
 よって当HPではこのホラー文庫の二冊は、出版芸術社『くちづけ』の文庫化として、掲載する次第である。 
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  1. 2011/05/26(木) 09:43:35|
  2. 幻ミス
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